【月刊小樽自身2022年2月号】小樽が舞台の『ユンヒへ』撮影地をめぐる旅。

投稿日:2022年01月25日 / 投稿者:otaru

小樽を舞台にした韓国映画『ユンヒへ』が公開中です。小樽マニアも小樽初心者も、きっとはまる映画に仕上がっています。映画を見てから復習しても、見る前に予習しても、あるいは予習・復習の両方でも、映画と旅の楽しみは2倍にも3倍にもなるはずです。

©2019 FILM RUN and LITTLE BIG PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

『ユンヒへ』は、岩井俊二監督作『Love Letter』にインスパイアされたと語る、イム・デヒョン監督の2作目。第24回釜山国際映画祭のクロージングを飾り、韓国のアカデミー賞ともいえる青龍映画祭で最優秀監督賞と脚本賞をW受賞するなど、韓国でも話題をさらったラブストーリーです。
小樽の主要な街並みが随所に登場する中、その風景が大人の女性の繊細な心情と見事にシンクロし、作品の世界に引き込んでいきます。物語は小樽に住む女性ジュンから韓国に住む女性ユンヒへ送られる、1通の手紙から始まります。ユンヒが小樽行きを決心し、次第に明らかになっていく2人の秘密と揺れ動く心情。終盤で、見る者の心にしっとりと染み入ってきます。
季節は冬。まさに、いまの小樽を訪れるにふさわしい設定です。小樽の街歩きで、映画の世界を追体験しましょう。

ユンヒ役のキム・ヒエ
10代後半からモデルとして活躍、代表作にドラマ「マイダス」(2011)や映画『優しい嘘』(2014)などがあります。
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ジュン役の中村優子
河瀬直美監督作品『火垂』が2001年に国内外で話題に。『ストロベリーショートケイクス』(2006)や『野火』(2015)などに出演。
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ロケ地① JR函館線

小樽への旅は、札幌から小樽へ向かうJR函館線からすでにスタートしています。海岸線ギリギリに迫る路線は、小樽観光の大きな魅力のひとつ。お見逃しなく。

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ロケ地② 小樽豊川郵便局

物語は、ここで投函された1通の手紙から始まります。小樽市内でも古くからの商店や街並みが残る場所で、風情を感じさせる郵便局です。

雰囲気のあるポスト

ロケ地③ 旧国鉄手宮線

小樽観光で必見となっているスポットですね。北海初の鉄道「官営幌内鉄道」の一部で、1880年に手宮・札幌間が開通しました。1985年に路線自体が廃止になりましたが、夏には線路を歩ける場所として人気です。作品と同じようにこの時季は深い雪に覆われていますが、冬にしか見られない手宮線の風景もステキです。

小樽の中心を横断する手宮線

ロケ地④ 小樽運河 / 浅草橋

小樽を象徴するスポットは、物語でも終盤の非常に重要なシーンで登場します。

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撮影秘話

当初、1月に予定されていた撮影が制作の都合により中止となり、再調整して2月下旬の夕方から早朝にかけて行われました。80個ほどの電飾を追加した大掛かりの撮影は見事に成功。作品をより完成度の高いものへとしました。

特別にライトアップして撮影。

ロケ地⑤ 嵐山仲見世小路

飲食店が集まる花園エリアには、裏路地や小路が入り組んだ迷宮の世界。「あかり小路」や「宵待通り」という名前の路地もあるので、探してみては。


「花銀」のアーケードをくぐって坂を登った先に迷宮が。
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『ユンヒへ』
監督・脚本:イム・デヒョン
出演:キム・ヒエ、中村優子、キム・ソへ、ソン・ユビン、木野花、瀧内公美、薬丸翔、ユ・ジェミョン(特別出演)ほか
2019年/韓国/シネスコ/カラー/105分/5.1ch/原題:윤희에게/日本語字幕:キム・ヨンヒ、チョ・ミンジョン、根本理恵/協力:loneliness books 配給・宣伝:トランスフォーマー 
Twitter:@dear__yunhee 
公式サイト:http://transformer.co.jp/m/dearyunhee/